平成27年1月26日 島根県松江市
空き家条例についてお話しを伺いに視察に行きました。

松江市の人口     世帯数
H24 207,657人   84,157世帯
H25 207,008人   85,327世帯
H26 206,393人   86,145世帯

空き家率はH20に14.9%からH25に13.4%に減少しています。
これは平成23年に東出雲町との合併によるもので、東出雲町には子育て世帯が多く住んでいるとのことです。
危険空き家への対策、空き家の有効活用を両輪に、平成23年10月「(通称)空き家管理条例」を制定し、都市政策のまちづくりの一環として取組んでいます。

長年放置され続けている空き家への相談や苦情が増加しており、条例の制定以降90件の相談があり、うち除却は24件、修繕は18件、その他継続案件は5件です。
口頭での注意は39件、指導改善なしは4件、勧告は2件、代行措置の例は0件です。

空き家を有効活用するため空き家バンクを制定、不動産の流通推進、定住促進につなげようというものです。
空き家バンクの仕組みは、松江市と不動産業者が連携してバンク登録をして、空き家の提供者と利用者をつないでいます。宅建協会などの公社に属さない業者でも柔軟に対応しているとのことです。
本格始動は平成26年4月1日からで、半年で25軒の登録があり、10軒が契約に至っています。

昨年国会で空き家対策特別措置法が可決となりましたが、規定された内容と条例との整合性を図るため、条例の改正に向けて検討していくとのことでした。


また松江市は、空き家の所有者やまちなかの居住促進に、さまざまな支援を積極的に取り組んでいます。

・まちなか住宅団地整備補助金
 (中心市街地で500㎡~1000㎡の優良宅地開発行為を行う事業者)

・戸建賃貸住宅改修支援
 (空き家を賃貸住宅にするために改修する所有者または管理業者)

・若年者まちなか家賃助成
 (新婚世帯・Uターン世帯)

・中古住宅取得支援
 (自己居住用の中古木造住宅を取得する個人)

郊外向けには
・子育て世帯定住促進団地の普通貸付・無償譲渡

・子育て世帯対象の定住促進支援


一昨年の台風で2軒の空き家の外壁が崩壊した事例が発生し、防災の観点からも非常に支障があったとのことです。
まちなか居住を推進すると山間部の過疎化が進むのではないかとの質問には、拠点連携型のまちづくりを推進しており、小さな拠点としてとらえ持続可能な集落地域づくりをしていきたいとのことです。

松江市の空き家条例とまちなか定住促進についてお話しを伺い、柏原市でどのように活用していけばいいのか考えますと、不動産業者と連携して利用者と提供者をつないでいく空き家バンクの活用があると思いますが、まずは現状把握が必要です。
危険な空き家、長年放置された空き家がまちなかにも数は多くなくとも存在しています。
防災の観点からも、放置することは危険ですので対策が必要です。
国会で可決となった空き家特別措置法を活かしながら、柏原市でも空き家対策をしていかなければいけません。

松江市のさまざまな支援には合計約3000万円の予算が組まれています。
市の規模から柏原市と比べると3~4倍の差があります。
柏原市に若者に移り住んでもらうための住宅支援として、木造住宅の取得等支援や若年者への家賃助成など、松江市の対策を参考に政策に落とし込んでいけるか研究していきたいと思います。
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