平成27年1月27日 鳥取県米子市
福祉保険部福祉課 こども未来課家庭児童相談室

生活保護・ひとり親家庭 学習支援ボランティア事業についてお話を伺いました。

鳥取県内モデル事業として米子市と倉吉市、鳥取市が事業を開始しました。
米子市は直営で運営していますが、他二市は民間委託をしています。(来年度も直営決定)
家庭児童相談室には職員が4人、専門相談員4人で24時間開設されているそうです。
ひとり親家庭の年間収入と子どもの学力や進学率と相関関係があるのではないか、ということで負の連鎖を断ち切るべため、また休日の居場所作りとして、生活保護世帯の中学生とひとり親世帯の小4から中3までに限定して支援していました。
学習支援ボランティア事業『こども☆みらい塾』の目的は、児童が将来に希望と見通しを持ち、選択肢を広げ自立につなげます。

生活保護世帯(対象45世帯)の中学生16人、ひとり親世帯の小4~中3は22人(小3が1人、兄弟で参加)
(小学生13人、中学生23人)
場所は米子市保健センターにて(遠方の児童は市マイクロバスで送迎、定員40人)
毎週土曜日の午後2時間
個別学習塾形式
登録ボランティアさんは教員OB19人、大学生21人、その他お世話係りが9人の合計49人(当初)体制

参加者を募集するにあたり、市報はもちろん、生活保護世帯にはケースワーカーが個別に案内をしたそうです。
成果としては、不登校傾向の児童が継続的に参加していること、休日の居場所づくりになっていること、受験できる高校の選択肢が広がったこと、学習意欲が高まったことがありました。
一方課題ととしては、個別支援が必要な児童が予想以上に多かったことでボランティアの人数が確保できない日があること、また同じ支援員でないと学習できない児童がいるなどがあり、継続的に参加できる支援ボランティアの確保をしていく必要があるとのことでした。

その他の質疑応答は

Q)民間委託ではなく直営にした理由は
A)初めての取り組みなのでまずは直営をした後、検証検討していく

Q)予算は
A)300万円 (ボランティア交通費2000円/回)

Q)対象とならない世帯からの反応は
A)学習場所が特定させているので心配はあったが今のところはない

Q)平日にしてほしいなどの要望は
A)休日の居場所づくりとして考えているため平日は考えていない、夜間の開催も防犯上考えていない

ある家庭で勉強できる環境にない児童がいて、ここで勉強ができることで成績が上がっていき、高校の選択肢が広がり、そこから将来の夢をもつようになって、今は活き活きと勉学に励んでいる姿をみてボランティアはじめ職員も励まされたと話しておられたのが印象的でした。
ひとりでも多くの児童に夢や希望がもてる環境づくりを市がしているこのモデル事業を、柏原市においてどのように落とし込んでいくか研究検討していきます。
実際、すでに一部中学校で、早朝に塾の講師を活用して希望者に補習学習を今年度秋から始めています。
家庭の事情で塾通いができない生徒や、学力に不安な生徒(3年生のみ受講)が受けており、受験に向け学習意欲が高まってきたそうです。
学習環境をきちんと整えられていれば、意外と子どもは学習に向かうものだと私は思います。
一番いいのは家庭で自らその環境を作ることが望ましいのですが、昨今は塾の環境でしか学べなかったり、そもそも家庭で勉強する環境作りが難しかったりします。
市が学習の支援することで一歩前に進むことができる子どもが増えるのであれば、どのような形であるかは別として、研究検討していく必要があるのではないでしょうか。
子どもたちには大いなる夢、希望をもってもらいたい!
そのためにできることを考えてまいります。
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